- さも
- さも【然も】〔副詞「然(サ)」に助詞「も」が付いた語〕(1)本当にそれらしいさま。 いかにも。
「~うれしそうに笑う」
(2)そのように。 そのとおりに。「~あらん」「女思ひも寄らねば, ~心も得で有るに/今昔29」
~あらばあれそれならそれでかまわない。 どうともなれ。 ままよ。「思ふには忍ぶることぞ負けにける逢ふにしかへば~/伊勢 65」
〔「遮莫」とも書く〕~ありなんいかにもそうであろう。 たしかにそんなことだろう。 さもあらん。~あれそれはともかく。 えい, ままよ。「~, ただはしり出て舞ひてん/宇治拾遺 1」
~言われたりよくぞ言われた。 もっともだ。「翁, それ~といひて/竹取」
~そうず(1)〔「さも候はず」の転〕いや, そうではない。 とんでもない。「直実(ナオザネ)におしならべてくめやくめ, といひけれども, ~とてひかへす/平家 9」
(2)〔「さも候はうず」の転。 「うず」は推量の助動詞〕そうだろう。 そのとおりだ。「おお~さもあらん/浄瑠璃・出世景清」
~な・い(1)そうではない。 そうでもない。(2)たいしたことはない。 なんということもない。「~・き笛をうやうやしく/読本・弓張月(後)」
~ないともしそうでなければ。「早く支度しなさい, ~遅刻しますよ」
~なくばそのようでなかったら。 さもなければ。~なければ「さもなくば」に同じ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.